夏に多い感染症　手足口病について教えて

ウイルスによる感染で5歳未満の子どもに多い

手足口病は、夏季に流行し、7月にピークを迎える5歳未満の小児に多い感染症です。
「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」の感染によって、口の中や手足に水泡性の発疹があらわれる病気です。ウイルスに複数の型があるため、何度もかかってしまうこともあります。まれに大人にも感染します。
潜伏期間は3日から6日。手のひら、足の裏や甲、口の中に2mmから3mmの水泡性の発疹があらわれます。口の中の発疹はしばしばつぶれて口内炎になります。また、腹痛や下痢に加え、1日から3日の発熱や鼻水など風邪のような症状を伴うこともあります。発熱は約3分の1にみられますが、高熱が続くことは通常はありません。「エンテロウイルス」に感染した場合は、無菌性髄膜炎などの合併症を引き起こす割合が高いこともわかっているため、機嫌や意識障害など、普段と様子が違う時には注意が必要です。

口内炎ができたら刺激の少ないものを

くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と唾液や鼻水がついたおもちゃの貸し借りなど、手が触れることで感染する「接触感染」、十分に洗っていない手で顔に触れたりすることで感染する「経口感染」が主な感染経路です。子どもたちの距離が近いなど、月齢・年齢の小さい子どもたちの集団生活（保育施設や幼稚園等）では集団感染もおこります。
感染後は便から2週間から4週間にわたってウイルスが排出されるので、家族の感染防止のために手洗い・手指消毒が必要です。

手足口病に対する特効薬はありませんが、症状緩和のために解熱鎮痛薬や口内炎に対して粘膜保護剤の軟膏などが処方されることがあります。
口の中に痛みがあるため、オレンジジュースのような刺激のある飲み物は避け、のどごしのよい冷たい飲み物（麦茶や牛乳、冷めたスープなど）や噛まずに飲み込める刺激の少ない食べ物（ゼリーやプリン、冷めたおじや、豆腐など）を与えましょう。