4歳の子が親の様子を伺いながら、わざと困らせる行動をします。どのようなかかわり方をすればいいですか。
わざと困らせる子どもの行動はどうすればいいの?
子どもは大事な人の愛情を確認しながら成長する
子どもは、いろいろなことに興味を示す時期であり学んでいる段階です。身近な大人に注意され、やってはいけないと思いながらも同じことを繰り返すことはよくあります。
しかし、物事の良し悪しがわかっているはずなのに、「飲み物をわざとこぼす」「ものをわざと投げる」「大事な絵本を破る」など、身近な大人の顔色を伺って、わざと困らせることがあります。このような行動を「試し行動」といいます。
子どもの試し行動が続くと、愛情不足ではないかと悩んだり、どうしてよいか分らなくなったり、子育てに自信をなくしてしまったりすることがあるかもしれません。
しかしながら、この行動は「大好きなあなたの愛情を確かめたい」という気持ちのあらわれです。つまり、試し行動は、身近な大人に対する子どもの愛情確認行動です。
大人にとって対応に困ってしまう試し行動ですが、子どもにとっては身近な大人との信頼関係を築き、安心感をもって成長してくための大切なステップです。
根気よく愛情を伝え続けて
わざわざ身近な大人の顔を見ながら悪いことを繰り返すので、「どうして分かってくれないの」と憤ってしまいますが、子どもには「身近な大人の気を引きたい」という思いが根底にあります。
試し行動をする子どもへのかかわり方のポイント
- 毅然と対応すること
物を壊す、暴れて他人を傷つけるといった、社会通念上してはいけないことがあります。してはいけないことは毅然と対応しましょう。
叱る時は、子ども自身を否定する言葉ではなく「〇〇はしてはいけないよ」と行動だけを注意しましょう。 - 「どんなあなたも大好きよ」と伝え続けること
叱った後に限らず、「どんなことをしてもあなたが好き」だということを、普段から言葉や態度で伝えましょう。
愛情を伝えても、なかなか試し行動を止めないこともあります。子どもが満足する愛情の量は一人ひとり異なります。子どもが「もう大丈夫だ」と安心するまで、少し意識してスキンシップを増やし、根気よく愛情を伝え続けることが大切です。 - できていることは積極的にほめること
困った行動だけに着目しても問題は解決しません。きょうだいで仲良く遊んでいる時や物を大切にしている時には、たくさんほめましょう。
また、子どもがお手伝いしてくれた時には「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることが大切です。子どもの心が満たされてくると、わざわざ叱られることをしなくていいんだという気持ちが生まれてきます。
試し行動をする子どもへの誤ったかかわり方
試し行動を悪化させてしまう対応には、次のようなものがあげられます。子どもの不安を増幅させてしまうことにつながります。注意しましょう。
- 「そんなことをする子は嫌い!うちの子じゃない!」など子どもを否定する。
- 「そんなことをする子は知らない」など疎外感を与える対応をする。
- 子どもの存在を無視する。
こういう時の大人の対応を、子どもはとてもよく見ています。愛情の確認を何度も重ねて、互いの信頼関係を築くことにつながるので、しっかり受け止めたいですね。
子どもへのかかわり方に迷う場合は専門家に相談しましょう。